日本人MBA学生の就活についてのまとめ

2Yプログラム現在2年生のYK(Ⅱ)です。私費で留学しています。今回は米国MBAに通う日本人学生の就活状況について書きたいと思います。私費で留学される方にとって就活はMBA留学でもっとも重要なイベントだと思います。私は周りにMBAの卒業生が全くいない環境にいたため、MBA受験をするかどうか決断する際には、卒業後にどんなキャリアのオポチュニティーがあるのか見当がつかず不安でいろいろ調べました。しかしその時具体的でまとまった形の就活情報をほとんど見つけることができませんでした。本エントリでは今後MBAを目指される方がMBAを受験するか決断し、また就活をスムーズに進められるよう、少しでもお役に立てるよう情報提供できればと思います。(なお、私は海外就職向けの就活をほとんどしていないため、情報は日本での就活に限ることをご了承ください。)

 

1.就活全体観

MBAに行くことで間違いなく取り得るキャリア選択の幅は広がると思います。それは業界の軸、職種の軸、場所の軸、すべてにおいて言えることだと思います。例えば、業界で言えば投資銀行・製薬業界など、類似した経験がないとなかなか中途で入社することが難しい業界に入ることができます。職種で言えば技術職からマーケティング、サプライチェーンからファイナンスといったように過去の経験と全く異なるファンクションに移ることもできます。場所の軸では、学校のある国や第三国の企業に採用されて、日本以外で働くこともMBAを持っていればより容易になるでしょう。内定への倍率についても、MBAに合格した時点ですでに強力なスクリーニングが働いているため、新卒就活に比べかなり低い倍率で戦うことができます(倍率数十倍といったような運もなくてはならない就活をする必要はありません)。さらに、在学中のインターンシップを通じて業界や会社と自分との相性について実地で確認をすることができるため、就業後のミスマッチも防ぐことができます。このようにMBAはキャリアを良い方向に進めるために良いことが非常に多いのですが、MBAを持つことで入りやすくなる業界・職種・会社には大きく偏りがあるため、それらに対して自分が興味があるのかどうか考えてみることが重要だと思います。

 

2.就活の流れ一例

まず、日本人MBA学生の就活の流れについてイメージをつけていただくため、スケジュールを含めた就活の一例をご紹介します。

就学前の4月~5月頃、各会社が行う壮行会という名の企業説明会に出席。また、転職エージェントが主催する合同説明会に参加。留学後、秋に学校内や学校近所で開かれる会社説明会に出席する。電話・スカイプベースで事前面接を開始。11月下旬(例年)にボストンで開かれる日本人留学生をリクルーティングする企業が日系・外資問わず一堂に集うボストンキャリアフォーラム(通常ボスキャリ)で本面接を行いサマーインターンの内定を獲得。夏にサマーインターンを行いフルタイムの内定を獲得。しかし他の企業も見てみたいため、その年の秋のボスキャリに再度参加したり、ボスキャリに来ない企業に直接アプローチしたりして引き続き就活を続ける。インターン先を含め複数のオファーを獲得し、その中でもっとも興味のある会社に決定する。(インターン先のオファー期限は会社によってことなるものの、インターンをした年の年末ごろまで待ってくれることが多いような印象です)

 

3.MBA生をリクルートする企業の分類&特徴

ここではMBA生を採用する企業を、1.ボスキャリに参加する企業(「ボスキャリ企業」)であるか否か、また、2.MBA新卒をファストトラック枠で採用する企業か否か、の2つの軸を用いて分類し、それぞれのカテゴリの特徴について述べさせていただきたいと思います。

3-1.分類

a. 「ボスキャリ企業」か否か

  • 「ボスキャリ企業」: ボスキャリに参加する企業。留学前壮行会を開催したり、学校に求人を出してきたり、学校内または学校の近くのレストラン・ホテルで個別説明会を開催したりする。募集要項を学生向けに直接送ってくれることも多い。そのため、企業や同級生を通じて放っておいても情報が入ってくる。基本的にMBA生のポテンシャルを買って採用するので基本的に過去の経験は問わない。よってキャリアチェンジしたい人向け。なお、ボスキャリに来るか否かは年によって変わることもある。
  • 非「ボスキャリ企業」:直接企業に問いあわせるかエージェントを通じて自分から求人を探して受験するタイプ。常にMBA生を募集しているわけではない。こちらから主体的にアプローチしていく必要がある。

 

b. MBA新卒をファストトラック採用するか否か

  • 「ファストトラック採用」企業: MBA新卒を幹部候補として特別プログラムに入れ、いわゆるキャリア組のような枠に入れる企業。MBA専用プログラム(MBA枠)を提供する企業と、MBA以外の人も応募可能なプログラム(一般ファストトラック枠)を提供する企業の2種類がある。MBA専用プログラムのところでは主にマーケティングかファイナンスで採用し、数か月~1・2年単位で複数の部署を経験させ、適正と本人の希望を考慮し本配属を決める。経験がなくてもポテンシャルで採用してくれることが多いのでキャリアチェンジしたい人に向いている。
  • 「通常採用」企業: その名の通り、採用されてもMBAなしで入社したほかの社員と待遇面やキャリア面で基本的に差がでない採用をする企業。

3-2.それぞれのカテゴリの特徴

ボスキャリ企業 非ボスキャリ企業
ファストトラック採用 ①    事業会社志望学生の主戦場 ③目の付け所がシャープな人が受ける。ただし対象企業はほとんどない
通常枠採用 ②    プロフェッショナルファーム志望学生の主戦場 ④玄人好み就活。ブルーオーシャン?

①ボスキャリ*ファストトラック採用:

ここに来るのは事業会社が主なところ。外資系メガファーマ数社、Amazon、マイクロソフト、楽天など。トータルで大体5社~7社くらい。会社にもよるが学校近くとボスキャリの双方で説明会や面接を行うため、接触機会は多め。

②ボスキャリ*非ファストトラック採用:

戦略コンサル、外資系投資銀行のいわゆるプロフェッショナルファームが主なところ。トータルで10社強くらいか。①と合わせて日本人MBA生就活の主戦場を形成する。感覚的には7割くらいのMBA学生は①か②で就職をするのではないか。

③非ボスキャリ*ファストトラック採用:

ここに入る企業はかなり希少。年によっても変動する。2016年現在ここに入るのは外資系メガファーマのMDSと日産くらいか?

④非ボスキャリ*非ファストトラック採用:

要するに普通の中途採用。よって対象企業は実質的に無限。ここはポテンシャルというよりもMBA前の経験次第で採用可否や待遇が決まることが多い。MBA枠採用のリーダーシッププログラムのように、キャリアチェンジと待遇の両方を得ることは一般的に難しいといわれる(キャリアチェンジした場合は未経験採用となり待遇はあまりよくない、逆に待遇をとるのであれば経験者採用を狙うことになり、今まで経験してきた業務範囲から抜け出しにくい)。なお、ここのカテゴリで注意しなくてはいけないのは、多くの場合勤務開始時期から1~2か月前にならないと受験することが難しいこと。空きポジションが出次第なるはやの人員補てんをしたいため。つまり、サマーインターンで得たフルタイムオファーの回答期限が来ることが多い2年目の年末時点では受験できない企業が多く、フルタイムオファーをRejectして卒業直前の最終学期3月~6月に就活をする必要があるということ。卒業の直前までオファーなしでいるというのは精神的につらいので、ここまで引っ張るMBA生は多くない。ただし自分のポテンシャルをフルに発揮できるような面白い求人がひょっこり現れることもあるようなので、リスクをとる価値はあるかもしれない。

 

4.学校のランキングと就活の有利不利について

言うまでもなく最も重要なのはその人の実力やMBA前の経験の質、その会社・業界とのフィットですが、あえて言うならランキングで言うTOP5、TOP20のラインの上にいるか否かで若干、内定を取るまでの容易さに差はあるような気がします。(ランキングは毎回変わるし媒体によって異なるので絶対的なものではありませんが)

TOP5ライン:リクルーターの中には明確にTOP5を別格視し、それらの学校から学生をとりたいといっている人もいました。2人の候補者の実力が同じであればTOP5の学生をとることはあり得るかと思われます。また、TOP5であれば大概の企業があちらから出向いてきてくれるため、時間と費用をかけて説明会や面接のために遠出をする必要は少ないかと思います。

TOP20ライン:コンサルティング会社や投資銀行の一部では説明会や面接に呼ぶ際に学校名でボーダーを引き、リストにない学校の人には書類選考や筆記試験を課すなどしているところもありました。TOP20以下の学校では企業からのアプローチの量が相対的に少なくなるのに加え、筆記試験などの採用のステップが多くなり、内定獲得までの労力がトップスクールの学生に比べ増えることは可能性としてあり得ると思います。

 

5.ケロッグでの就活について

他のブログでも多く書かれているので簡単に触れるだけにしますが、企業との接触機会、学校からのサポート、学生主催の面接対策、学校のブランドによりプレミアム、これらすべてにおいてケロッグは全てMBAスクールの中でトップレベルにあるのは間違いないと思います。ケロッグ生の多くが希望をする業界・就職先からオファーを得ていることからも明らかです。この理由の一つは、優秀な学生がランキングと学校の規模から他校に比べても相対的に多く集まっており、さらに非常に協調的カルチャーがあるため、日本人・非日本人問わずお互いに貴重な情報を共有しあったり、面接練習等でお互いに高めあったりしているためと思われます。

以上、簡単ですが日本人MBA生の就活についてイメージしていただくために、このエントリが少しでも役に立てば幸いです!


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