日系メーカー出身者の受験体験記 Class of 2007 – 2013

プロフィール

コース MBA(2Y)
性別 男性
学歴 慶應義塾大学商学部(95年卒)
職歴 総合電機メーカー10年(受験時)
職務概要 広告宣伝(5年):
アメリカでのワイドTV拡販プロジェクトや欧州でのITイメージ向上プロジェクトなどを担当。
サンフランシスコで海外研修(1年):
アメリカ企業のブランドマネジメントの最新事情について研究。
ブランドマネジメント(4年):
社内にブランド戦略室を立ち上げた後、グループ全体のブランド戦略立案と実践を担当。事業分野毎のブランドポジショニングの定義や、それを実現するためのアクションプランの立案などを行った。

Why MBA

私が働いている電機メーカーは、超技術オリエンティッドな会社で、技術者、研究者が優位にある会社です。「いいものを作れば売れる」という考えがどこかにあると思っていました。ゆえ、商品をいかに売るか、売れる仕組みを作るか、を考えることにあまり重きを置いてこなかった会社だと思います。また、重電から発展してきた会社ですので、いつもお客様がスペックを提示してくれ、そしてそのスペックをいかに満たすか、で商売をやってきたので、お客様のニーズを先取りして汲み取って、商品を開発するということが不得手でした。一言で言うと「マーケティングが弱い」会社。ただ、昨今のビジネス環境では、技術力だけで商品の差別化を図るのは難しく、また、お客様がスペックを提示してくれるビジネスだけでは儲からないという時代になり、当社もマーケティング主導の会社にならなくてはやっていけない時代になった。そんな会社のマーケ主導会社への変革の一躍を担い、もう一度、会社を復活させたい、そのために、マーケティングスキル、ジェネラルマネジメントスキル、インターパーソナルスキル等を身に付けたい、そんな思いでMBAを志望しました。

Why Kellogg

志望校については、キャリアゴール達成に必要な要素+家族のことを考えて、以下の基準で選びました。

  • マーケティングとジェネラルマネジメントに強い。
  • チームワーク、協調性重視の学校である。
  • 規模が大きすぎず学生との濃密な付き合いができる。
  • リーダーシップ修得に力を入れている。
  • 家族が安心して住める街に位置している。

この条件に最も合致する学校として、Kelloggが真っ先に候補に上がり、最初から第一志望でした。そして、その志望を揺るぎないものにしたのは「人」です。印象的だったのは、卒業生の方々がみな活き活きとされており、Kelloggのことを話される時はみな目が輝いていることでした。そしてみなさんが異口同音に「Kelloggの2年間は最高だった」とおっしゃいます。

また日本人はもちろんですが、米国人も協調性を持った、対人スキルの高い人々が集まっている感じがします。よく耳にするのは、米国人のほうがよりKelloggのValueを意識/理解しているので、本当にチームワークに向いている人々/チームワークを実践したい米国人のみがKelloggを受験し、また進学先としてKelloggを選んでいるということのようです。

実際に入学してみて、チームワークから学ぶものは想像以上に大きいと感じます。チームにおける自分のポジションの見極め、チームメンバーの能力やキャラの把握、状況に応じたチームのリードの仕方/纏め方、チームがトラブルに陥った時の対処方法、各人の能力の引き出し方など、対人スキルに関して学んだことは、数え上げたらきりがありません。

また、入学してから感じるのは、ワークロードの厳しさです。MBAに行くのだから、ハードな環境でとことん勉強に打ち込みたいと考えている受験生の期待も、まず裏切ることはないと思います。ワークロードを厳しくしていくというのは最近の学校側の方針でもあるようです。

その他、実際に入学して思うのは、伝統的に有名なMarketingの他に、General Management、Finance等、全ての分野において授業の質が高く(授業の質は生徒の質にも大きく左右されることを忘れてはいけません)、総合力の高いバランスの取れた学校だということです。アカデミック以外の部分でも、勉強と課外活動のバランス、大都市シカゴへ遠すぎず近すぎないという立地条件のバランスなど、いろいろな意味でバランスの取れた学校ではないでしょうか。私は妻と子どもがいますが、Joint VentureやKellogg Kidsなど、家族に対するサポートも非常に厚いものがあります。立地条件もあいまって、家族連れの方には、Kelloggは最高の環境ではないかと思います。

受験スケジュール

私は、自分としては、バックグランドや仕事上の業績も特に目を見張るものはないと感じており、GMATも700超えをするとは予想しておらず、インタビューもそれほど点数を稼げるとも思っていなかったため、とにかく、皆と同じことをしていては上位には受からないと思い、人より先んずることを常に心がけました。以下がおおまかな受験スケジュールです。

<スケジュール>

2002年11月 社費派遣決定
2002年12月 予備校選び、TOEFL勉強スタート
2003年2月 GMAT勉強スタート
2003年3月 TOEFL263点
2003年7月 GMAT初受験(640点)
2003年8月 GMATスコアメイクならずもエッセイカウンセリングを開始
2003年9月 GMAT710点
2003年10月 TOEFL280点、1校目出願(Cornell)
2003年12月 Cornell合格
2004年1月 Michigan合格、全校出願終了
2004年2月 UCLA、Duke、Kellogg合格
2004年3月 Tuck合格

TOEFL

予備校コースについては、過去の合格体験記や先輩方の話しを参考にし、評判のよかったリスニングインテンシブ(渋谷)をうけました。その他は独学で対策しました。MBA受験プロセスでは、いかに早くエッセイを書き始められるかで合格率に雲泥の差が出ると思うので、早めに、自分がTOEFL対策で予備校が必要な人なのかを見極め、必要あるなら、手っ取り早くTOEFLも予備校に通い、時間を節約するのもよいと思います。

<リスニング>
TOEICの点数や、海外経験からして、ある程度自信があったのですが、かなり苦労しました。Part Bで生物や物理などの苦手な問題が出ると、専門用語がいくつか分からないだけで、なかなか要旨がつかめませんでした。勉強方法で一番効果があったのは、やはり、Powerprepのリスニングパートを何度も繰り返し解くことだったと思います。同じ音質(本番では恣意的に音質を下げられておりモゴモゴ聞こえます)、速さで練習量を増やすのが最適ではないでしょうか。私は、TOEFL受験前の2週間くらいは、PowerprepのリスニングとStructureの部分だけを毎日繰り返し解いていました。
<ストラクチャー>
独学で十分対応できる分野だと思います。Writingは、テンプレートをある程度頭にインプットし、試験会場で良いExampleを思い浮かべられれば(ある程度の脚色は可)大丈夫だと思います。
<リーディング>
Powerprepを使い対策しました。時間配分に気をつければ、特に心配する必要はないと思います。質問に関連する箇所の周辺を読むだけで答えが分かるものも多いので、最初に全文を読まずに解く人もいますが、この方法はあまり自分には合わなかったので、全文を読んで要旨を把握してから、一問一問初めから解くようにしました。

GMAT

予備校については、会社の過去の社費留学生に話しを聞いたり、合格体験記を読んだり、各予備校の説明会に行くなどして、積極的に情報を集めました。初期段階で点数が出なかった場合には、GMAT専門予備校M(渋谷)に通おうとこの段階でイメージを描いていたため、そのための基礎を一番オーソドックスにかつ効率的に固めてくれそうとの判断で、渋谷の大手予備校Pを選びました。予備校に通うかどうかには賛否両論あるかと思いますが、オフィシャルガイドを何度も繰り返すことで見えてくるルールやコツ、正解になりやすい選択肢の傾向等を、形式知として、最初に効率的に習得できるという点で、時間節約のメリットは計り知れないと思います。

<SC>
一番苦労しました。大手予備校Pのコースで基礎は学び、オフィシャルガイドを2~3回まわし、テクニックも一通り習得したつもりだったのですが、確実に点数を稼ぐまでにはいたっていませんでした。ただ、予備校Mのコースで、いかに自分が、簡単な問題を難しく考え、微妙でマイナーところで選択肢の優劣をつけようとしていたかを実感し開眼しました。SV Agreement(主語、動詞の不一致)、Pronoun(誤った代名詞の使用)といった超単純なところで簡単に選択肢の優劣がつけられることが分かり、正解率のアップ、時間のセーブにつながりました。
<CR>
GMATで死ぬほど苦労しなかった一つの理由は、多くの人が苦労するCRでほとんど苦労しなかったからだと思います。なぜかはよく分かりませんが、何のテクニックも使わずに、問題文を普通に読んで、選択肢を読むと、「これが事実ならStrengthen/Weakenされるよな」と普通に分かり、普通に正解できました。多分ETS的論理思考回路の持ち主だったんだと思います。余談ですが、GMATではタイムマネジメントは超重要ですので、SC、CRとも、中盤以降では、難しい問題は捨てる勇気も必要だと思います。一番ハマりやすくハマってはいけないのがCRだと思うので要注意です。
<RD>
地道に勉強するしかない分野だと思います。ただ、選択肢の中に極端な内容や、強すぎる表現が入っているものは正解になりにくいなど、ある程度のテクニックはありますので、それらは知っておいた方が良いと思います。
<Math>
高校、大学受験と数学が得点源だったので、数学は得意のつもりだったのですが、GMATのMathは頭の体操的な要素が強いと感じ、思ったより点数が伸びず、少し焦りました。途中で、49点くらいが自分の実力だと途中で思い定め、710点取ったときの本番では、最初から49点狙いとし、数問捨てることにしました。そうすると、数問捨てられるということで逆に気が楽になり、また力まず冷静に余裕を持って問題を解くことができました。

エッセイ

GMATやTOEFLと違い、もっとも予備校のサービスの質に差が出やすく、かつ合否に最も影響を与えやすいエリアとの判断で、予備校選定には最も時間を費やしました。カウンセラーのクオリティに一番信頼が置けたこと、合格実績が抜群であったこと、知り合いの評判が良かったことから、予備校I(五反田)を選びました。

私は、最重要エッセイのWhy MBA?では、上記「Why MBA」をもとに、自分の広告部門での体験エピソードを添えて、素直に書きました。割とロジカルかつユニークなWhy MBA?のエッセイに仕上がっていたのではと思います。日本的ハイテク大企業でのブランドマネジメント担当というのも、MBA志望者の中ではユニークな経歴ではないかと思うので、興味をひくエッセイだったかもしれません。

エッセイはMBA受験プロセスで一番重要な要素です。できるだけ早い時期から書き始めることをお勧めします。また普段からチームワークやリーダーシップ、エシカルジレンマのエッセイに使えるネタを考え、いいアイデアが浮かんだら、書き留めておくといいでしょう。

インタビュー

インタビュートレーニングは、予備校I(五反田)のカウンセラーと電話トレーニングサービス(M社)を利用しました。このようなサービスを利用すると、面接の最後に必ず聞かれる「Any questions?」に対するキラークエスチョンを一緒に考えてくれ、ヒントをくれたりもします。

本番では、自分のアピールポイント、ネタをうまく散りばめて話せるよう意識しました。私は英語は決してうまくありませんが、こちらに熱い思いや信念、しっかりとした考え方があって、それを自信を持って伝えることができれば、相手には必ず伝わると信じます。想定外の質問をされても、その場で落ち着いて考えて、その場で考えたことを素直に自信を持って伝えれば、悪い印象は持たれないと思います。えてして、無難にまとめた合格するための答えをしようとしたりすると、自分の信念ではない分、舌が滑らかにならなかったりするものです。逆に、自分の本当の思いであれば、英語も滑らかになったりします。

また、アドミにしても、アルムナイにしても、面接官が誰か事前に分かるのであれば、卒業生の方やWEBを通じて、どのような人となりの方なのか、どのようなことに興味を持っている方なのか、を事前にある程度知っておくとよいと思います(思った以上に情報は集まるものです)。そうすることで、だいぶ気が楽になりますし、面接で話を展開する上で有利になると思います。

アドミ、アルムナイどちらにするかはいろいろな意見があると思いますが、自分のCandidacyの強さによって状況は異なると思います。テストスコアに問題がなく、エッセイもいいものが書け、いいポジションにいるのなら、無難に東京とアルムナイと受けた方がいいかもしれませんし、そうでない方は、アドミにアピールした方がいいとか。人それぞれだと思います。

Kellogg受験に際して

受験前から、Kelloggは学生主導の学校ということを良く耳にしていました。入学してからは、学生が、自ら積極的に各種学校組織の運営やイベントのオーガナイズなどに関わり、チームをリードしていくことを期待されます。よって、特にKelloggのエッセイでは、自分がチームワークに適しておりリーダーシップを発揮できる人材であるということ以上に、今までも積極的にCommunity にInvolvementしてきた(ボランティア活動等)、ということをアピールするようにしました。実際、インタビューでも、この点については特に深く聞かれました。Kelloggが、勉強以外でもチームをリードし学校に貢献することができるかどうかを重要視していることのあらわれだと思います。

加えて、エッセイ、インタビューともに、多少のユーモアを盛り込むようにしました。Kelloggは、いかなる場合においても明るく楽しく人と接することができる対人スキルに優れた人材を求めていると感じていたからです。実際、入学してみると、こういった人々が非常に多いと感じます。

受験生へのメッセージ

MBA受験は本当に辛いプロセスだと思います。ただ、そのプロセスは、MBA受験しようと決意した人だけが経験できるものでもあります。辛いプロセスである分、その経験を通じて得られるものも大きいでしょうし、人間としての成長もきっと成し遂げられるはずです。ぜひがんばってください。