外資系金融・コンサル出身者の受験体験記 Class of 2007 – 2013

Case1:外資系銀行勤務の男性

プロフィール

コース MBA(2Y)
性別 男性
学歴 2001年 慶應義塾大学 経済学部卒
職歴 金融 5年(受験時4年)
職務概要 米系金融機関東京支店審査部の事業法人担当クレジット・アナリストとして主に顧客に対する内部格付けの付与(顧客企業や業界レポートの作成及びプレゼンテーション発表)、及びそれら信用リスクのモニタリングに従事していました。自動車、電機、鉄鋼、石油、重工業、造船、航空、電力・ガス業界などを担当し、常時約40~50社カバーしていました。

Why MBA

前職在職中にはクレジット・アナリストとして100社以上の企業を分析し、基礎的な財務・事業分析、信用リスクの考え方、そしてプレゼンの仕方などをOJTや経験豊富な上司から学ぶことができました。ところが在職3年目が終わる頃、アナリストからアソシエイトに昇進し、より深い分析をする上でなかなかブレークスルーできない壁を感じていました。その壁とは、そもそも良い企業とは何か?、良い組織とは何か?、良い経営とは何か?、という根本的な問いに対する自分なりの答えとなる拠り所=基盤が無いことでした。この時、正にビジネススクールにてワン・パッケージで体系的に企業・組織・経営について学ぶことの必然性と、学部時代に漠然と持っていたビジネススクールへの憧れが交わりました。また、理解ある上司にもキャリア上のステップ・アップを薦められ、何事も早めが良いという信念の下、MBA留学を目指しました。受験当時には明確なキャリア・チェンジ目標はありませんでしたが、今までの企業分析経験に加え、ビジネススクールでの学び(ハード&ソフトスキル)を活かせる職種に就きたいと考えていました。

Why Kellogg

「Kellogg受験に際して」でも述べていますが、様々なトップスクールの中、私にとってKelloggが第一志望となったのは実はキャンパス・ビジット後でした。志望校の絞込みの段階当初から、100%ケース・メソッドの学校とスモール・スクール(学生数の少ない学校)は外しました。ケースメソッドはある面では効果的であると理解していたものの、ラーニングの点で懸念を感じ、レクチャーとケースが半々の学校でリスクヘッジしたかったこと、スモール・スクールは学内でのインタラクション・レベルやアラムナイ・ネットワークの大きさという点で懸念がありました(これらは各人のラーニング・スタイルや学校に何を期待するかで大きく変わるものだと思います)。そこからの絞込みに重視した要素は(1)ランキング、(2)校風、そして(3)ロケーションです。

(1)ランキングに対する賛否両論はありますが、各学校のアカデミック・レベル、リクルーターの評価、学生の満足度などを複合した総合指標としてはある程度の目安になると考えました。

(2)校風は自分にマッチした学校で充実した留学生活を送るためだけでなく、卒業後のアラムナイ・ネットワークにおいても非常に重要な点だと考えました。そして

(3)ロケーションは妻帯同の留学の私にとって、外せない要素であり、暮らしやすさ=安全、且つ田舎ではないところを基準としました。

この3点に加え、アカデミック面でストラテジー、ゼネラル・マネジメント、ファイナンスに関して評判の良い学校、また卒業生の就職先の内訳を比較し、興味のあった戦略コンサルティングや投資ファンド、投資銀行が多い学校を検討し、第一志望群としてKelloggと特にファイナンスで有名な某2校を考えておりました。

他の2校は(1)ランキングの点ではまったく問題なく、(2)校風の点でもある意味フィットを感じましたが、(3)に関しては若干懸念がありました。LAとNYに住んだことのある私にとって、米国三大都市において唯一住んだことのないChicagoエリアの学校に行くことはとても魅力的であり、キャンパス・ビジットし、授業を見学したり、学生の様子を見たり、学校の界隈を散策したり、ダウンタウン・繁華街へのアクセスを検討したり、様々な面から総合的に考えた上での結論でKelloggという答えがでました。

金融出身者という観点から、入学後に感じたKelloggの良さを特に挙げるとすれば、(1)ファイナンス関連授業の充実振り及び教授陣のレベルの高さと(2)本当に多様な業界から構成される在校生、及びアラムナイ・ネットワークと言えると思います。

受験スケジュール

2004年2月 アソシエイトへの昇進を期にMBA受験を正式に決断する。上司に報告し、サポートの快諾を得る。
2004年4月 TOEFL受験2回目の280点でTOEFLスコア確定。
2004年6月~10 GMAT受験5回するも後半3回はほとんどスコアが伸びず(680、680、690)最終的に690点でGMATスコア確定。
2004年7月 本格的にエッセイ作り開始。
2004年9月 他校アドミッション・インタビューを都内で行う。
2004年10月 Kelloggと他校1校へ出願。
2004年12月 Kelloggのアドミッション・インタビューをオンキャンパスにて行う。また他校2校へ出願。
2005年1月 Kelloggをファースト・ラウンドにて合格、その時点でMBA受験終了。(インタビュー済みの第一志望群他校1校合格、インタビュー・インビテーションを受けた他校2校は面接辞退。)

TOEFL

中学・高校時代を米国で過ごしたため英語はそれなりに自信がありました。とはいえ帰国子女にありがちな文法面での弱さを自分なりに認識していましたので、分かり易そうなTOEFLのテキストを一冊購入し、一通り勉強しました。MBA受験のためのTOEFL受験ではありましたが、勉強するうちに当然英語そのもののレベルを上げたいというモチベーションが高まったのは言うまでもありません。

GMAT

TOEFLには苦労しませんでしたが、GMATは最後まで攻略法が確立できず、苦労しました。GMATで有名な某予備校に少し通い、所謂テクニックを幾つか学びましたが、最終的にはオフィシャル・ガイドをコツコツと勉強することになりますので、まずはとにかくオフィシャル・ガイドを勉強し尽くすのが経済的にも良い方法なのではないかと思います。ちなみに私はオフィシャル・ガイドのMathとSentence Correctionを2/3程度しかこなせませんでした。Critical ReasoningとReading Comprehensionは得意だったためほとんど手を付けませんでした。

エッセイ

エッセイの最大の趣旨は「学校に自分を伝えること」だと思いますので、大まかなエッセイ作成プロセスは、(1)まずは自分を知り(Why MBA?)、(2)次に学校を知り(Why Kellogg?)、(3)そして自分と学校とを結び付けていく(Why Me?)、ものになります。エッセイはカウンセリングで有名な某予備校に通いました。通う前にはMBA受験エッセイ集のような本を斜め読みしたりしましたが、内容的にあまりにも綺麗に書かれていたためほとんど参考にならず、自分なりのエッセイを書くにはカウンセラーとのスパーリングが必要だと感じました。

エッセイを作成する上では(1)何より自分を理解し、(2)欧米的視点を持ち、(3)ビジネス経験がある人間にアドバイスを受けるのがとても重要だと思います。これさえ当てはまればアドバイザーとしては予備校のカウンセラーでなくとも、信頼できる友人でも問題はないと思います。私は文章チェック能力も強く重視していたため、プロであるカウンセラーをアドバイザーに選びました。

インタビュー

インタビューは基本的にエッセイの内容+αをコミュニケーションする場だと思いました。つまりエッセイの完成段階であればインタビュー対策の幹は出来たことになりますので、あとはそれをどれだけ効果的に伝えられるかが勝負の分かれ目となります。当然、英会話力は高ければ高いほど良いですが、それ以外に大切なのは(1)熱意、(2)自信、そして(3)少しのユーモア、だと思います。面接官に「この人ならうちの他の学生ともうまくやっていけるだろう」と思わせることを意識すると良いと思います。また、真剣に考えたり、リサーチした結果生まれる「Good question」をどれだけ用意できるかもとても大切です。私はインタビューの練習自体は1回だけカウンセラーにお願いし、コツを掴んだので、あとはイメージ・トレーニングに集中しました。

Kellogg受験に際して

Kelloggを強く意識するようになったのは2004年の夏に都内で行われたインフォメーション・セッションに参加してからです。比較的大きな会場でしたが受験生で満員の中、10数人もの日本人アラムナイ&在校生の方々が皆さんそれぞれKelloggについて熱く、そしてざっくばらんに語ってくださったのが胸に突き刺さりました。終始、全員英語で語りかけてくれましたが、英語のそれほど得意でない方も含めてとにかく「伝える力・意識」を強烈に持った方々だと感じ、「Kelloggはホンモノだ!」と思いました。この時点でKelloggは第一志望群3校の1つとなりました。

そして、Kelloggが完全に第一志望となったのは、2004年12月上旬にオンキャンパス・インタビューを受けにキャンパス・ビジットしてからです。当時はファースト・ラウンドでの出願はKelloggのみであり、しっかりとKelloggをこの目で見てからインタビューに臨みたいと思い、オンキャンパス・インタビューを申し込みました。また、オンキャンパス・インタビューであればアドミッション・インタビューの可能性もあり、その方が自分の中でも後悔のないインタビューが出来ると思いました。

とはいえその時点ではKelloggが第一志望という確信は持っておらず、中西部から東海岸にかけて合計6校を2週間かけてキャンパス・ビジット・ツアーすることにしました。結局Kelloggのオンキャンパス・インタビューを終えてからのツアーはKelloggへの想いを確認し続ける旅でした。Kelloggでのオンキャンパス・インタビューの前日にはオンキャンパス・インフォメーション・セッションやステューデント・レッド・ツアー(在校生ボランティアが学校の案内をします)への参加、複数の授業見学、在校生の方々とのランチやディナー、などとにかく生のKelloggを体感することができました。特にインタビュー前日の在校生の方々からの貴重な生の声や温かなアドバイスは、本心から「Kelloggに行きたい!」という気持ちを強く固めるには十分過ぎるものでした。お陰様でアドミッションとのインタビューでは、「自分はこういう人間で、Kelloggはこういう学校であり、正にマッチしているはずだ」とアピールすることができ、面接官からも「あなたはKelloggのことを本当に理解しているようね!」との言葉を貰えました。

Kelloggでも多くの受験者がキャンパス・ビジットをせずに合格していますし、他校でもそのようなケースも多いかと思いますが、莫大な投資をするわけですし、時間とお金の許す限りキャンパス・ビジットはするべきだと思います。ある人にとってのベスト・スクールが、他の人にとってもそうであるとは限りませんので、とにかく自分の目で見て確かめるようにしていただきたいと思います。どこの学校でも共通する部分ではありますが、Kelloggでは特に「学生がKelloggの文化とマッチするのか」を重視していると思いますので、Kelloggに少しでもご興味をお持ちいただいた方々には、ぜひ更なるリサーチをしていただきたいと思います。

受験生へのメッセージ

MBA留学の価値は各人の取り組み方で大きく異なると思います。肯定的な意見だけでなく、否定的な意見を聞くこともあるかもしれませんが、その際はご自身が「MBA留学に何を期待しているのか」をMBAホルダーや在校生、学校に相談してみてください。ビジネススクールという「場」は各人が可能性を追求するには絶好の舞台だと思います。