Class of 2020 学生プロファイル

Class of 2020(1年生)のMです。本日はClass of 2020の学生のプロファイルについてご紹介します。

生徒数、平均年齢、勤務年数などに大きな変化はありませんが、以下にていくつか特徴をまとめておきます。

① 学生の女性比率は4年連続で40%を超え、今年は過去最高の46%に到達
今でこそいくつかのトップスクールで女性が学長(Dean)を務めていますが、Kelloggは一早く2010年にSally BlountをDeanに任命し、学校全体として女性のキャリア支援や個人的成長をサポートする仕組みを構築してきました。また今年の8月から現LBSのFrancesca Cornelliが新たにDeanに就くことが決まっています。WBA(Women’s Business Association)のようなクラブも積極的に活動しています。

② GMATの平均点は2年連続で過去最高の732点
ビジネススクールのランキングにも大きく影響していると言われているGMATのスコアですが、ここ数年トップスクールの平均点は軒並み上昇傾向をたどっています。Kelloggも例外ではありませんが、732点はトップスクールの中でも最上位に位置付けられるようです。(出典:Poets&Quants

③ 出身業界の多様性
コンサルティング業界から来る学生が全体の24%いますが、それ以外は多種多様と言えます。第2位としてFinancial Service(金融)が19%と括られていますが、金融と言っても投資銀行、PE、VC、保険、政府系金融など様々な分野から学生が来ています。

④ 3人に1人は”International”
Kelloggは人種の多様性にも富んでいます。米国のビジネススクールなのでアメリカ人が多くなりがちですが、アメリカ人の中でも小さいころに米国に移住してきたアジア系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニックなど様々な人種がいます。また留学生もアジア、中南米、欧州、アフリカなど世界各国から優秀な学生が集まってきて切磋琢磨しています。

また、こちらにもKelloggのキーワードとともに、Class of 2020の数名が紹介されていますのでご覧になってください。

Class of 2020の日本人はというと、2年制プログラム4名とMMMプログラム1名の計5名が在籍しています。なんと全員男性ということで、学校の方向性とは真逆を進んでいる感は否めませんが、来年以降どうなりますでしょうか・・・。GMATのスコアに関しては、一般的に数年前まで日本人は学校の平均以下でも仕方がないという見方もありましたが、おそらく近年の日本人の平均スコアは、学校の平均スコアに近くなっていると思われます。出身業界に関しては、金融3名(銀行、投資銀行、損保)、商社1名、メーカー1名という構成です。

ビッド制度

Class of 2020(1年生)のMです。選択授業の取りやすさについて聞かれることがありますので、本日はビッド制度について説明したいと思います。

Kelloggでは、主に選択授業の選択において学生間の公平性を担保するためにビッド制度を採用しています。各学生が自分の取りたい授業にビッドし、高いポイントを入れた人から順にクラスの席を確保できるというものです。授業ごとに定員が決められており、例えば65名が定員の授業では、上から65番目までの高いポイントを入れた人がその授業を履修する権利を得ます。

Kelloggのビッド制度では、1年生に2,000ポイント、2年生に3,000ポイントが与えられます。1年生の場合は秋学期がほぼコア科目でビッドが不要のため、冬学期と春学期で2,000ポイントを使います。2年生は秋・冬・春学期で3,000ポイントを使うので、いずれも1学期1,000ポイントという計算です。学期ごとにポイントの持ち越しは可能ですが、2年生になるときにいったんゼロとなり、新たに3,000ポイントが割り振られます。

学期ごとのビッドは第1ラウンドと第2ラウンドから構成され、基本的にはこの2回で自分の取りたい授業を確定させます。過去の授業ごとのビッドポイントは、受講した学生によるその授業の評価とともに全てデータ化されており、学生はオンラインで閲覧可能となっています。なかなか過去の傾向通りにはいかないのですが、第1ラウンドではそれしか頼りになるものがないので、それを踏まえて自分の取りたい授業と入れるポイントを決めていきます。その後、第1ラウンドでのビッド結果を踏まえて、第2ラウンドでの方針を立てます。第2ラウンドでは、第1ラウンドで定員に達しなかった授業のみビッド可能となります。同じ授業でも第2ラウンドの方が定員に近い状態になり、より高いビッドポイントが要求される傾向にあります。

最終的には、履修定員ギリギリのビッドポイントを入れた学生のポイントが授業のクロージングコストとなり、上澄み部分は各人に返却され、次の学期で使用可能です。例えば定員50人の授業で1番高い人が1,000ポイント、50番目の人が200ポイント入れた場合、その授業のクロージングコストは200ポイントとなり、1,000ポイント入れた人には800ポイントが返却されます。また、ある科目にビッドしても、最低ビッドポイントに届かず履修出来なかった場合は、そのポイントは返却されて次の学期で使用可能です。そのため、ある授業を取り損ねても、気を取り直して、返ってきたポイントをもとに次の学期のビッドに臨むことができます。

当然ながら、人気の高い教授の授業を取るには高いポイントが要求されるため、年間を通した自分の理想的なクラスポートフォリオを視野に入れた上で、プランBも含めて戦略を立てる必要があります。ビッドが近くなると、友人との会話でも、何を取るのか、何ポイント入れるのか、といった話題が多くなります。一緒の授業を取ろうと考えている友人とは、一緒に戦略を立てたりもします。それだけ皆楽しみにしていることでもあります。中にはネゴシエーション系やマーケティング系で1,500ポイントを要求される授業もあり、当然ながら全てを人気教授かつ人気科目で占めることは困難です。その中で、「この教授のこの授業だけは絶対に取る」、あるいは、「この分野は一番人気の教授でなくてもよい」というメリハリをつけてビッド戦略を立てていく必要があります。結果的には、大多数の学生が、ある程度満足のいくビッドができているように感じます。

私個人はというと、この1年間で1つだけ取りたい授業を取り損ねてしまいました。結果論ではありますが、他の授業にビッドポイントを割り振りすぎてしまい、その取りたい授業に十分なポイントを割り振ることができませんでした。ただ、逆に言うとそれ以外は取り逃すことなくすべて取ってきたということでもあります。その取り損ねた授業もまた2年生になったときに確実に取れるように、戦略を立てていきたいと思います。

授業紹介:Accelerated Corporate Finance

Class of 2020(1年生)のMです。だいぶ時間が経ってしまいましたが、秋学期に履修した授業の紹介です。Kelloggのコア科目の1つにFinance Iがあることは前回お伝えしましたが、選択科目にその発展的内容をカバーするFinance IIという科目があります。そして、さらにFinance IとFinance IIを1つの科目にまとめて、Finance Iに代わってコア要件を満たす科目が、今回お伝えするAccelerated Corporate Finance(通称ACF)です。通常2科目の内容を1科目に凝縮して行いますので、内容が濃くスピードも速く非常にハードです。このクラスはコア科目に該当しつつも、秋学期前にオンラインテストがあり、そのテストで一定の点数を取った学生に受講資格が与えられます。

私のクラスは、2000年にKelloggの“Professor of the Year”を受賞するなど古くからKelloggに在籍するMitchell Petersen教授が担当でした。10週間の授業では、リスク・リターン、バリュエーション、投資戦略、配当政策、資本政策など幅広いコーポレートファイナンスのトピックをカバーし、ケースとレクチャーが大体半々の割合で行われます。ただケースにしろレクチャーにしろ、彼は教えるにあたって「理論」と「直感」を非常に大切にします。そのため、いつも実務で使っている内容であっても、背景の理論について理解を深められる良い機会となりました。ファイナンスというと数字での議論が先行しがちですが、彼は定性と定量の両面からバランスの良いアプローチの重要性を説いています。ケースの議論でも、まず定性面の分析を行いビジネスの特徴を捉え、そのどの部分がどのように定量面に影響を与えているのか、また財務諸表にどのように表れているのか、といった具合に分析を進めていきます。

先ほど受講資格について述べましたが、一定の試験をクリアした学生が受講しているため、授業中も非常に高いレベルの議論が展開されます。皆ファイナンスに興味がある又はファイナンスのバックグラウンドを持っているため、ときに議論は白熱します。さらに教授によりアサインされたグループでのケース課題も7~8回あります。私のグループ5名は、皆男性で米国人2名とアジア人3名という構成でした。皆がある程度ファイナンスに関する知識と経験を兼ね備えていることが奏功し、サクサクと議論が進むことが大半でしたが、時に難問では何時間もかけて議論したこともありました。逆に、皆なんらかの形でファイナンスに関連したキャリアを歩んできた猛者たちでしたので、自分は毎回どのように貢献できるかと必死でした。最終的には非常に良い関係が構築でき、その後の授業も一緒に取ってグループを組んだり飲みに行ったりしています。

ACFを受講するメリットは他にもあり、例えば他の学生がFinance IとFinance IIと2科目受講するのに対して1科目で済みますので、その分他の選択科目を取ることが可能となります。さらに特に人気の選択科目を早い時期に受講できると、他の学生と競合する可能性が減りますので、ビッドポイントが少なく済むという利点もあります。ビッド制度についてはまた後日記事にしたいと思います。

2年制MBAプログラムのコア科目と履修時期

Class of 2020(1年生)のMです。キャンパスビジットに来られた方から、コア科目の比重や選択科目のフレキシビリティについて質問されることがあります。Kelloggの2年制MBAプログラムは3学期制(秋、冬、春)で行われ、それとは別に秋学期の前に特定のコア科目のために1~2週間の集中講義期間(Pre-term)が設けられています。2年制MBAプログラムのコア科目は全部で10科目(9.0単位)で、履修時期は以下の通りです。最後の「リーダーシップ・クライシスマネジメント(Leadership and Crisis Management)」のみ2年次のPre-termのときに受講し、それ以外は1年次に受講します。

時期 科目名 単位
Pre-term 組織論(Leadership in Organizations) 1.0
Pre-term 統計I(Business Analytics I) 0.5
経営戦略(Business Strategy) 1.0
会計(Accounting for Decision Making) 1.0
統計II(Business Analytics II) 1.0
秋または冬 ファイナンスI(Finance I) 1.0
秋または冬 マーケティング(Marketing Management) 1.0
ミクロ経済学(Microeconomic Analysis) 1.0
冬または春 オペレーション(Operations Management) 1.0
Pre-term リーダーシップ・クライシスマネジメント
(Leadership and Crisis Management)
0.5

1年生の秋学期:コアのみ4科目(経営戦略、会計、統計II、ファイナンスI又はマーケティング)
1年生の冬学期:2~3科目がコアで、ファイナンスI又はマーケティングの未履修の方とミクロ経済学(オペレーションは冬学期か春学期のどちらか)
1年生の春学期:0~1科目がコアで、オペレーションを既に履修済みの場合は、全て選択科目

各学期に最低3単位、最大5単位(それ以上の履修も追加授業料の支払いにより可)の取得が認められていますが、多くの学生は各学期に4単位分の授業を履修しています。その前提に立つと、1年生の秋学期はすべてコア科目となりますが、冬学期から選択科目を取ることができます。冬学期は1~2科目、春学期は3~4科目が選択科目となります。当然ながら冬学期や春学期に5単位分の授業を履修する場合は、さらに選択科目の数を増やすことができます。2年生は秋学期~春学期まですべて選択科目です。

卒業要件は20.5単位なので、卒業要件ぎりぎりで履修した場合は、20.5単位のうち9.0単位がコア科目となります。ただ先ほども述べましたが、大半の学生は各学期に4単位の授業を履修しますので、その場合はPre-termの2単位と併せて26単位のうち9.0単位がコア科目というイメージです。

ここまでは、受講免除(Waive)を行わない場合という前提に立っています。ただ、1年次のコア科目のうち、「組織論」と「経営戦略」以外は受講免除が可能です。受講免除の要件は各科目によって異なりますが、学部の専攻、職務経験、資格(会計士など)、受講免除テスト合格、などが基準となります。受講免除した場合は、その単位分だけ選択科目に割り振ることが可能となります。考え方は人それぞれですが、可能な限り受講免除を勝ち取って、自分の好きな分野の授業を履修したいという学生もいます。中には会計と統計IIを受講免除して、1年生の秋学期から選択科目を履修している学生もいます。一方で、自分の得意分野を受講免除せずあえて履修し他の学生をサポートすることで、後々困ったときにサポートしてもらえるような関係性を構築しておきたいと考える学生もいます。コア科目は同じセクション(クラス)で受講することが多いため、セクションメイトとの絆も深まります。

授業紹介:Entrepreneurship Through Acquisition

Class of 2020(1年生)のMです。冬学期に履修した選択科目の中で面白かった授業の紹介です。クラス名にもなっているEntrepreneurship Through Acquisition(通称ETA)は、サーチファンドとも呼ばれ、米国ではMBA後のキャリアパスの1つとして認知されています。米国を中心に普及しながらも、北米や中南米及びヨーロッパには広がってきているようです。しかし私自身、日本にいたときはサーチファンドについて聞いたことがありませんでしたので、まずはその説明から始めたいと思います。

【サーチファンドとは?】
主にMBA卒業生が、通常1~2名で卒業時に自己資金及び投資家から募った資金を用いて投資ファンドを立ち上げます。当該卒業生は、この数百万円から数千万円の資金と自身のネットワーク及びブローカーを活用することによって、約半年から2年の間に、星の数ほどある中小企業の中から自分のクライテリアに合致するターゲット企業を「サーチ」し、実際にオーナーと買収交渉を行います。その後、買収資金を投資家からの追加出資及び銀行借入で賄いレバレッジをかけて買収し、経営者として約5年から10年間その会社を経営します。最終的には、当該企業を他社に売却し、投資家のリターンを確定させ、残りを自身の取り分とするというのがサーチファンドのモデルです。ただしこれは理想的な場合で、買収先を見つけられなかった、買収交渉がうまくいかなかった、買収したが企業価値向上がうまくいかなかった、エグジット先との売却交渉がうまくいかなかった、など各フェーズにおいてうまくいかないケースも多々あります。サーチファンドの概要については、Stanford GSBから発行されているこちらのレポートが無料でダウンロードできますので、興味がある方はご参照ください。

【授業概要】
授業は0.5単位のため、冬学期の後半5週間(1コマ3時間×5コマ)にわたって行われます。サーチファンドの概要から始まり、サーチファンドの各フェーズ(買収先のサーチ、買収交渉、買収後の経営、企業価値向上、売却)のポイントを全5回にわたって学んでいきます。最終課題においては、サーチファンドを立ち上げたという設定で、与えられた3つの候補から企業を選び、4-5人のグループで投資家向けにプレゼン資料を作成します。なぜ選んだ企業が投資対象として良いのか(インベストメント・ハイライト)、どのような成長戦略で企業価値を向上していくのか(事業計画)、どの程度投資家から資金が必要で、どの程度のリターンを見込むのか(リターン分析)、などを網羅的にまとめます。

【良かった点】
・ゲストスピーカー
なんといってもこの授業のウリは、毎回のゲストスピーカーです。サーチファンドを立ち上げたKelloggの卒業生が来たり、事前課題として与えられたケースの主人公が実際に登場したりします。実体験に基づいて苦労話や武勇伝を話すため、聞いているこちらもワクワクします。こういう文脈では成功者のストーリーに偏りがちですが、想定通りにいかなかったケースの主人公が失敗談や教訓を語る場面もあり、非常に示唆に富んだクラスでした。

・教授
Alex Schneider教授自身も二足の草鞋を履いており、Kelloggで教鞭を執る傍ら、実際に自身でファンドを立ち上げ、中小企業を買収し経営しています。実体験に裏付けられた講義は、机上の空論や教科書の枠にとどまらない面白さと説得力があります。

・生徒の多様な意見
毎回の事前課題の多くは、ケースや資料に関していくつかの質問と選択式の回答が与えられ、それぞれ自分の回答について説明するというものでした。例えば、「買収先のサーチ」に関する課題では、5~6社のティーザー(企業概要資料)が与えられ、自分ならどの企業を買収をしたいかを選び、それはなぜかについて理由を述べます。ある企業の「買収後のリスク要因」に関しては、ミドルマネジメントのリーダーシップ、特定販売先への依存、原価上昇、内部のレポーティングシステム、のどれが最重要か、それはなぜか、といった具合です。そして授業中に、何名の学生がそれぞれの選択肢を選んだのかというデータを教授が示し、それぞれの選択肢についてそれを選んだ学生がコールドコールされて説明します。必ずしも絶対的な答えがあるわけではないため、自分とは違った様々な意見や議論が展開され、新たな学びや発見につながります。

授業紹介:Financial Decisions

Class of 2020(1年生)のMです。4月になりエバンストンの寒さも少し和らいできました。この冬は、1月末に気温が-30℃、体感温度が-50℃になり、南極よりも寒いということでニュースにもなりました。私の住むアパートはまだその後遺症が残っており、エレベーター3基中2基が止まっているという状況です。

さて、今回は私が冬学期に履修したFinancial Decisionsという授業の紹介です。Kelloggはあまりファイナンスのイメージが無いかもしれませんが、非常に良い授業が揃っています。その中でFinancial Decisionsの位置づけは、ファイナンスのコア授業の後に、さらにコーポレート・ファイナンス分野で学びを深めたい学生に人気のある選択授業です。

【授業概要】
ワークロードは比較的重めで、冬学期10週間で13~14ケース(!)をこなします。授業は1週間に2コマで、おおむねレクチャー1コマとケースディスカッション1コマという構成なのですが、時にケース2コマという週もあります。

授業でカバーされる範囲は基本的な内容から応用まで非常に多岐にわたります。主には、運転資本の活用を含む資金調達、資本構成、投資判断、買収にかかる企業価値評価(DCF/APV/マルチプル)、クロスボーダーLBO、リストラクチャリング、チャプター11(倒産)です。毎回のケースでは、財務分析等を踏まえて、「マネジメントならどうすべきか」という観点でチームでレポートを提出します。

毎回のケースには比較的馴染みのある企業が登場します。例えば、Dell、PepsiCo、Bed Bath & Beyond、United Airlines、Iridiumなどに加えて、教授オリジナルのTesla、Amazon、Appleのケースも取り扱いました。

【良かった点】
• チームでの議論
毎週チームでレポートを提出しますので、少なくとも週1~2回はチームで集まります。そのため誰とチームを組むかが非常に重要となります。私は、PE出身者(JD-MBA)、銀行の事業戦略部門出身者、事業会社のファイナンス部門出身者の3名とチームを組みました。時に喧々諤々と議論する場面もありますので、信頼できるメンバーかつファイナンスを私とは違った側面から見てきたメンバーと組めたことで、非常に学びの多い有意義なクラスとなりました。

• 米国を代表するテック企業への理解の深化
Teslaは、上場後しばらくはエクイティ中心で、その後転換社債、最近では普通社債と資金調達手法が変わってきています。そのケースでは、当時からの事業環境の変化やマーケットの状況等を踏まえて、なぜ資金調達手法が変化してきたのかについて議論するとともに、転換社債の価値評価手法を学びました。

また、Appleにおいては、2018年夏に時価総額が初めて1兆ドルを超えたことで話題になりましたが、そのケースでは、Appleを取り巻く事業環境やリスク要因をどう企業価値に織り込むかを考えつつ企業価値を評価し、現在の株価がアンダーバリューかオーバーバリューか、それとも正当に評価されているかについて議論しました。逆に現在の株価を正当化するには、どのセグメントでどの程度の成長を見込まなければならないのかも併せて検討しました。

• 各段階での学び
各コーポレート・ファイナンスのトピックについて、①教授の講義(理論中心)→②ケースへの応用、という流れで1週間の2コマが進んでいきます。さらにケースへの応用の部分は、自分での予習、チームでの議論(レポート提出)、授業前半の生徒同士の議論(教授は主にファシリテーター)、授業後半の教授による解説・総括、と分かれ、いずれの段階でも何らか新たな発見が得られます。各段階で時には自分になかった視点や抜け落ちていた観点が提示され、それもケースを中心に構成される授業の良いところかと思います。

Kellogg最初の三ヶ月を振り返って

2Y MBA一年生のTです。一年目のFall Termが始まって早三ヶ月。受験生時代にMBAやKelloggに対して抱いていたイメージに対して、その実態を簡単に纏めました。以下完全に私見です。

 

・グループワークが多い

ホント:Kelloggはグループワークやコラボレーションで知られていますが、その評判に偽りはありません。ファイナンスや統計のような科目でも(時に無理やり)グループワークが課されます。

 

・ハードスキル、知識の習得のために海外MBAに行くのは費用対効果が低い

ホント&ウソ:学校を問わず、多くの海外MBA卒業生の方から「MBAで習った知識、特にハードスキルはほとんど覚えていない、もしくは陳腐化する」と聞いていましたが、確かにただ知識を得るだけであれば日本語で教科書を読む方がよほど効率が良いという感想です。グループワークでの他学生とのインタラクションや、多様性の中でもがく、英語がわからなくて困るといった経験自体から学びを得て、知識を血肉化させることが不可欠です。

 

・欧州MBAに比べて生徒の多様性が低い(アメリカ人中心)

ホント&ウソ:確かにアメリカ人が多く、またインターナショナルと定義される学生でも半分アメリカ人のような人がたくさんいます。英語でハンデがあるのは本当に極一部。一方で、出身業界や人種等は多岐にわたっており、多様性は十分に確保されています。

 

・TOEFLで点が取れていれば、授業の英語は大丈夫

ウソ:教授の英語は基本的に問題ありませんが、早口だったり声が小さいクラスメイトの英語を聞き取るのは、私のような純日本人には至難です。

 

・MBAは忙しい(“オポチュニティ”が多い)

ホント:勉強、課外活動、就職活動等、やること・できることは限りなく存在します。FOMO(Fear of Missing Out)という言葉に象徴されるように、Kelloggの学生の多くがクラブ、ケースコンペ、飲み会、各種イベント等に過度にコミットし、授業や就活との兼ね合いに難儀しています。オポチュニティというカタカナに慣れましょう。

 

・冬は寒い

ホント:KelloggのあるEvanstonは寒いです。雪だるまつくろう。

 

 

以上

授業紹介:Marketing Strategy(Prof. Tim Calkins)

Class of 2019のKMです。今回はこれまで履修した授業から、特に学びが多く面白かった授業であるMarketing Strategyを紹介します。

【授業概要】

当授業はマーケティング応用科目の中でもExperiential Learning要素が強いものになっています。複数のチームに分かれ、それぞれが同一業界に属する架空の消費財メーカーのブランドマネージャーになった想定で、製品開発(どの消費者セグメント向けにどういう性能の製品を作るか)・製造指示(どれだけ生産するか)・広告(誰にどのようなメッセージを送るか)・セールスチーム(どのチャネルにどれだけセールスを配置するか)に関する意思決定を行い、最終的にどれだけ利益を稼げたかを競うシミュレーションを行います。過程で、市場予測と自他のポジショニングから顧客ターゲットをどうするか、ターゲットのニーズに合った性能と価格は何か、既存製品を改良すべきか新市場に参入すべきか、シェア/マージンをどう増やすか、競合が参入してきた場合にどの様なディフェンシブ策を取るべきか等、様々な課題に直面し、その度にレクチャーで得た知識を基にチームで喧々諤々の議論をすることになります。現実では意思決定→結果までに時間がかかりますが、シミュレーションでは1週間毎に結果が分かるため、意思決定・結果・分析というループを何度も回せ、一般的なブランドマネージャーの6・7年分の事柄を経験できるというのが本授業のウリです。

【良かった点】

  • 実務経験豊富な教授による授業

Prof. Tim Calkinsはコンサルと消費財メーカーでの実務経験を持ち、現在も複数のマーケティングに関わるコンサルを行っているだけでなく、数々のTeaching Awardも受賞している教授です。授業で扱うケースだけでなく、今まさに起こっている事象(私の履修時では、Chobaniのパッケージ変更とディスカウント、細いDiet Cokeの導入、Super Bowlの広告等)についても第一線で活躍している彼の知見を得られるのは、学びの上でも大きかったですし授業としてもライブ感があり面白かったです。

  • グループワークでの学び

シミュレーションの意思決定はグループ(5-6人)で行いますが、将来の消費者動向・競合の戦略に関する見解、新製品開発と既存商品改良のバランス等、様々な点でメンバー間に相違があるため、私のグループは毎回喧々諤々の議論を4時間以上することとなりました。その過程で自分では思いつかなかったアイデアや分析から学ぶことは多かったですし、またどのように議論をリードしたらよいか、どの様に合意を形成していくか、についても色々と試せたのは良かったです。

  • エキサイティング!

シミュレーションでの競合は同じ授業を取っている他生徒チームです。そこから適度な競争環境が生まれ、週に1回シミュレーション結果が発表される際には、結果を見てチームごとに一喜一憂しとても盛り上がります。

 

ワークロードは重いですがその分10週間後に感じる達成感も大きく、また私の場合はチームメイトともとても仲良くなったので、間違いなく思い出に残る授業となりました。

MMMプログラムの概要

こんにちは、MMM -Class of 2019のK.S.です。なんとなくビジットや質問等からMMMプログラムへの関心が高まっているのを感じるのですが、同時にネット上に情報があまり無いという声も聞きますので、この機会にまとめてみました。MMMプログラムは年々進化していくプログラムなので詳細については変わっていくと思いますが、ご参考になればと思います。

1. 建前上の概要:
MMMプログラムとはKellogg School of ManagementでのMBAの学位と、Seagal Design Institute (工学部の一部)からMSc Design Innovationの学位を修得する、デュアルディグリープログラムです。
Kelloggの授業と並行して、毎学期1単位Seagalの授業を受講(Figure 2参照)し、イノベーションの原動力となる発想法やフレームワークをデザイン思考のプロセスと共に学ぶプログラムです。制度や単位数等については以下に通常のプログラム(2Yプログラム)との比較を示します。
尚、MMMプログラムは毎年バージョンアップしていっていますので毎年授業のスケジュールは変わります。最新の情報については学校ホームページを確認ください。

Table 1 MMMと2Yプログラムの比較

No. 項目 2Y MMM
1 最小単位数 20.5 28.5
2 学期数 6 7
3 修得学位 MBA (Kellogg) MBA (Kellogg) +
MS Design Innovation
(工学部/Seagal Design Institute)
4 必須授業 9単位 19 単位 (Kellogg: 11, Seagal: 8)

Figure 1 スケジュールのイメージ

Figure 2 Class of 2019の履修スケジュール

2. MMMプログラムの内容
2.1 ぶっちゃけ
イノベーティブなアイディアを出せる(と言われている)デザイン思考のプロセスとフレームワークを座学とプロジェクトベースの課題を通して身に着けよう!というプログラムです。
ただし、「デザイン」部分については職人芸的な所もあるので、信じて、やってみて身に着けるというプロセスになります。そのために1年目に座学のInnovation Frontierと実践のRDBを行い、2年目にDesigning with Intelligenceとbusiness Innovation lab等で更に磨きをかけるというプログラムになっています。

2.2 MMMプログラムのメリット
1) Design Innovationの授業
2) Seagalのリソースへのアクセス
3) MMMのクラスメート達
4) STEM学位 (アメリカで転職予定のある人)

何といっても2年通してデザイン思考のフレームワークの訓練をするということ、MBAの2年間とそれがうまく統合されているプログラムが提供されているという所がMMMプログラムの最大の価値と考えます。デザイン思考を通じた問題/機会発見とアイディア出しの発散型思考、MBAでの問題解決とビジネスの数字への収束型思考を平行して学べる機会はあまりないと思います。

Figure 3 MMMでは発散型思考と収束型思考の両方が学べる

また、授業とあわせて、SeagalのリソースであるMMMラウンジの使用権、3Dプリンタ(金属プリンタもあります!)等への設備のアクセスも出来るので授業外でもプロトタイピングの練習やモノづくりに励むことも出来ます。
MMMプログラムは60人程度の小規模プログラムであるため、クラスメートとの絆はかなり深くなります。もちろんKelloggの一部なので残りの500人以上のクラスメートとのネットワークも出来ますが、夏学期はMMMだけと授業をとることから60人の絆は殊更強いように感じます。学生のバックグラウンドが多様でありながら全員イノベーション思考なので 同じような興味に対して一緒に活動できる仲間が出来るという面でもメリットがあると思います。
最後に、アメリカで転職予定のある人にとってはMMMはSTEM(理系)の修士号が取れるのでワーキングVISAの応募に有利になるという側面もあります。

2.3 MMMプログラムのデメリット
1) 1学期長い(分学費が高い)
2) 必須授業が多いので他授業の選択肢が狭まる
3) プロセスを信じなければならない

夏学期から始まるのでその分多少(丸々1学期分)学費は高いです。また、必須授業が多いので他授業の選択肢が狭まる傾向にあります。単位数だけではなく、Kellogg側の必須授業も多いので、スケジュール調整がその分難しくなる場合があります。
個人的には、MMMの授業がとりたいのであればデメリットはほぼないと感じますが、Kellogg内にもデザイン思考について学べる機会はあるのでMMMほどドップリ浸かる必要がなければ、そちらのオプションを活用したほうがKellogg内での選択肢を増やせます。
最後に、デザイン思考の授業はKelloggの授業と比べて職人芸を学ぶという部分があります。ある程度のフレームワークはありますし、基礎のスキル等も学びますが取り合えず信じて、実践して、その後に効果を感じるという方式になります。はじめは慣れないことも色々やらされますが取り合えずコミットしなければ学習効果は低くなる傾向にあると感じます。

3 他校の似たプログラム
デザイン思考は最近流行っているので、Kellogg以外にもデザイン思考に焦点を当てた授業やプログラムを色々と提供するようになってきています。ただ、今のところKelloggほどMBAとうまくインテグレートされているところは少ないと考えます。
(出展: Design in Tech Report 2017)

1) Stanford GSB: Design Thinking Bootcamp
2) Berkeley Haas: Design Thinking for Business Innovation
3) Harvard Business School: i-Lab Design Thinking & Innovative Problem Solving
4) UVA Darden: Specialization in Design Thinking and Innovation
5) MIT Sloan: Product Design and Development
6) Yale SOM: Design and Management
7) INSEAD: Innovation by Design Programme

上記のようなビジネススクールでのプログラム以外にもデザインスクールでのプログラムも多数あるので、ご興味のある方はそちらも参照することをお勧めします。

今回は概要だけをお届けしましたが、次回は授業の様子も含めて実際に学ぶ内容についてあげたいと思います。それまでにもご興味のあるかたはフォームからご質問頂ければ出来るだけ回答致します。

 

在校生・卒業生による学校説明会のお知らせ (2017年8月28日)

Kellogg在校生・卒業生による、MBA 受験生の皆様を対象とした学校説明会を開催します。参加をご希望の方は下記ウェブサイト掲示板のリンク先からお申し込み下さい。(席に限りがありますので、お早めにお申し込み下さい。)

日時
日本時間 2017年8月28日(月)18時00分開始、21時終了予定
第一部: 開会の挨拶(クックパッド株式会社 代表執行役兼取締役 岩田 林平)
第二部: 在校生によるKelloggの紹介
第三部: 卒業生によるパネルディスカッション
第四部: 個別Q&A

URL
https://apply.kellogg.northwestern.edu/register/18-FT-PRO-Event-JapanAmbassador

場所
クックパッド株式会社内会議室
(〒150-6012 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー12F)
▪JR山手線・東京メトロ日比谷線 恵比寿駅
▪JR山手線 恵比寿駅東口から、恵比寿ガーデンプレイスへの直通連絡通路(恵比寿スカイウォーク)を通り、約7分程度です。
▪雨天の場合は、連絡通路から恵比寿ガーデンプレイスへの出口手前のエレベータもしくはエスカレータで地下一階へ降り、屋内のみを通っての移動が可能です。

概要
Kelloggのカリキュラム概要・魅力を在校生や卒業生がたっぷりとお伝えします。当日はご家族・パートナーの方の同伴も大歓迎です。(服装はカジュアルなものでお越し下さい。)

フライヤー
「Kellogg School of Management, Northwestern University 在校生・卒業生による学校説明会 (2017年8月28日)」のお知らせ

お問い合わせ先
清宮 樹里 (Class of 2018)
julie.seimiyaアットマークkellogg.northwestern.edu