高校生向けメンタリングプログラム

早いもので、Kelloggに入学してから間もなく一年が経とうとしています。先日ご卒業されたClass of 2015の皆さんをお見送りしながら思うことは、エバンストンでの2年間をどのように過ごすかは本当に人それぞれであり、裁量が大きいだけに目的意識と計画が大切になってくるということです。同期入学の友人たちも、学業、資格取得、課外活動、ご家族との時間、旅行にお酒…と、積極的に思い思いのエバンストン生活をデザインしていて、いつも刺激を受けています。この地に居て 黙っていても成長するのは、お腹周りのお肉だけなのかもしれません。うーん、そういえばスーツがきつくなってきた気が…運動も計画的にしないといけませんね。。

さて、私の体重にはいったん目をつぶり、本日は課外活動として携わっている高校のメンタリングプログラムについてご紹介いたします。

 

プログラムについて

私は昨年、3人の学生とともに同プログラムの立ち上げに関わりました。活動内容は、メンターである約10名のKellogg生が定期的に地元高校を訪問し、有志で参加されている生徒の皆さんにビジネスについて学ぶプログラムを提供するというものです。年間12回程度開催したセッションは、ワークショップ形式の講義が約半分、残りの半分は企業訪問、地元企業へのビジネスプラン提案、ケースコンペティションなどとなっています。

ワークショップでは、毎回異なるテーマで、Kelloggのコア授業で学んだコンセプトを高校生が楽しめるような形にして提供します。交渉の講義では、交渉の原則を学んだ上で不動産売買のロールプレイをしたり、チームワークの講義では レゴブロックの早組みなど、高校生が自ら参加する形で学べるように工夫しています。参加型プログラムの最たるものがケースコンペティションです。3?5人のチームに分かれ、地元のトレーニングジムに対するマーケティング戦略を提案するものでした。実際にジムの経営者の方の前でプレゼンテーションを行い、審査員の評価を競ってもらいました。

 

ケースコンペティション前夜

さて、そのケースコンペティションの準備が順調に進み、いよいよ社長さんへのプレゼン前夜、生徒の一人から電話がかかってきました。電話に出るなり「困ったよ?」と言っています。彼曰く、「プレゼンのたたき台を作って皆で相談しようとしていたんだけど、いっしょのチームの皆が連絡取れないんだよね。方針が決まらないと先に進めない。時間がないし、もう無理かも。一応自分の担当分だけ作って、明日の直前ミーティングで相談しようかな、どうするのがいいかな?」

一緒に手伝ってみようか、あるいは細かい指示を出そうかとも考えましたが、悩んだ挙句、とりあえず応援だけしてみることにしました。「明日、社長の前でチームとして良いプレゼンをしなければならないわけだよね。今は大変な状況だけど、自分の担当範囲はいったん忘れて、自分がリーダーだと思って、明日チームとして成果を出すために何をできるか考え、それをやってみたら。君ならできるぞ?!がんば!(←適当)」

「わかった、やってみる」と言った彼が出した答えは、プレゼンの全体像を自分で作り、翌日他のメンバーの意見を聞きながら微調整し、最終的には発表の担当を割り振るというものでした。眠そうな顔で翌日の直前ミーティングに来た彼は、パワーポイントスライドをほぼ完成させ、テレビCMまで自作していました。彼らのチームは優勝こそ出来ませんでしたが、2位に食い込み、社長さんの評価も上々でした。評価もさることながら、困難な状況において、チームとしての責任を全うするためにやるべきことを自分で考え、早朝まで作業して成果を出したという事実は、彼自身の自信となったことでしょう。

 

自信と自主性、そしてKellogg

プログラムを設計するにあたって意識していることは、教えてあげる、という上から目線ではなく、生徒が他者と協力して何らかの成果を出すという経験を得られる環境づくりです。魅力的な環境があれば、生徒たちは成果を出してみようとするし、成果が出れば生徒たちは徐々に自信をつけます。自信がつけば、新たな興味が湧いてきて、自ら進んで学ぶようになり、自ら成果を求めていくようになるのではないでしょうか。経験に裏付けされた自信、そして自主性。こうしたものは、何かを「教えてあげる」だけではなかなか身につくものではないと思います。

これは何も高校生に限ったことではなく、ビジネスの現場で働くいい歳した大人にとっても重要なのかもしれません。そういう意味で、まさにKelloggというビジネススクールは、チームで成果を出すという経験が生み出される環境として良くデザインされていると思います。毎年多様なバックグラウンドの学生がエバンストンに集うと、入学前に共に旅行し、CIM Weekで協力してあれやこれやに取り組んで、秋学期が始まればケースディスカッション、課外活動のリーダーシップ、そしてめくるめくグループワークの数々が待っている… Kelloggで得られるものとして、Collaborateする機会、というのは良く言われることですが、Collaborateする経験を重ねることから生まれる自信と自主性も、大切な収穫になるように思います。

私は来年一年間、代表として同プログラムをリードします。私の下手くそな英語にもめげずに一緒に運営してくれている友人達、ご協力頂いている高校の先生方に感謝しつつ、同プログラムをさらに進化させ、来年一年間運営し切ることを、Kellogg生活中に成し遂げたい目標の第2番目としたいと思います。目標の第1番目は、ダイエットですね…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA