-テクノロジーとビジネスの融合を目指す新しいMBAの形–
こんにちは!Class of 2027の藤井です。最近、「MBAiって何?普通のMBAと何が違うの?」という質問をよくいただくので、1学期を終えた今の時点での実体験を交えながら、 KelloggのMBAiプログラムについて、紹介したいと思います。
MBAiって、そもそも何?
MBAiは、Northwestern UniversityのKellogg School of ManagementとMcCormick School of Engineeringが共同で提供している約18ヶ月のジョイントディグリープログラムです。
実は、このプログラム、ChatGPTが大ブレークする2023年よりもずっと前の2020年頃から提供されているんです。つまり、AIブームに便乗して作られたプログラムではなく、AIがビジネスに不可欠になる時代を見越して設計されたプログラムなんですね。
18ヶ月と聞くと「短い!」と思われるかもしれませんが、実は取得する単位数は通常の2年制MBAと同じです。その分、1学期あたりの履修科目数が多くなるので、正直かなり忙しいです。。
・何を学ぶの? ー カリキュラムの特徴
ビジネスとテクノロジーの融合
MBAiの最大の特徴は、ビジネススクール(Kellogg)とエンジニアリングスクール(McCormick)の両方で授業を受けることです。KelloggでStrategy、Finance、Marketingといった伝統的なMBAの授業、そしてMcCormickでComputational Thinking、Applied AI for Business、Tech Product Managementといった工学系の授業を受ける、という感じです。
ここで面白いのが、MBAiはData Scientistを養成するプログラムを主にしていない、ということです。アメリカの大手企業では、Data Scientistが経営企画や財務と同じレベルの専門部隊として存在していることが多いそうです。MBAiが目指しているのは、そういったData Scientistと協業しながら、テクノロジーでビジネス課題を解決できるリーダーの育成に主眼があるようです。Northwestern UniversityにはAIやData Science専門のMS(修士)プログラムもあるので、そことの差別化を図っているのだと思います。もし、そちらの専門性を確立したいということであれば、それらの修士を取った方が良いかと思います。
実際にどんなことをやるの?
1学期を終えた段階で体験したことを挙げると、KelloggでのStrategy等のコア科目もありましたが、例えばMcCormickの授業では、Naïve Bayesアルゴリズムを使ったセンチメント分析や、ニューラルネットワークの実装(初学者向け)といった、実践的なことをやりました。Pythonでコードを書くので、プログラミング経験がある方なら問題なくついていけると思いますが、プログラミングを触ったことないと割と苦労はするかなと思います。
ただ、Deep Learningのコア技術(Attention機構とか)についてもさらっと実装したりするので、理論的なところまでしっかり理解しようとすると、自習が必須です。正直、授業・課題・自習で毎日かなり忙しくしていました。その分、確実にスキルや理解は深まっている気はしますが、これをビジネスに使うためにはより多くのビジネスへの応用実例が必要な気がしております。そこで以下のようなプロジェクトに取り組む機会や実例に触れる機会がMBAiでは提供されております。
AI関連事業を展開するビジネスリーダーを招いたセミナー開催
企業向けAI戦略コンサルティングプロジェクト
企業向けにMSAI(AI修士号)の学生たちと一緒にプロトタイプを作る授業
クラスメイトってどんな人たち?
MBAiは1学年40〜50名程度の少人数プログラムで、ほぼ同じ授業を履修するため、クラスメイトとは自然と仲良くなります。Kelloggの伝統であるグループワークもMBAiにたくさんあって、結果的にほぼ全員と何かしらのプロジェクトを一緒にやることになるので、仲間は作りやすい環境だと思います。
もちろん、通常の2年制MBAの学生とも一緒に授業を受けます。MBAiの学生も通常のMBAと同様にセクション(日本でいうクラスみたいなもの)に割り当てられるので、MBAでのセクションとMBAiの二つのコミュニティに所属している感じになります。ただ、実際には後者と一緒に授業を受ける機会の方が圧倒的に多いです。
バックグラウンドとしては、エンジニア出身者が多い印象です。ソフトウェアに限らず、ハードウェア関連の方もいます。コンサル出身者も一定数いますが、自分のような金融バックグラウンドはまれです。
国籍については、通常のMBA(2Y)よりも外国人比率が高い印象で、自分の体感では、アメリカ人が10名程度、外国人だがアメリカで高等教育を受けた学生が15名程度、インド人が10名、残りがその他の国籍、といった感じです。
なぜ自分はMBAiを選んだのか
自分は8年間、日本の金融機関で働いてきました。その中で感じていたのは、自社を含めて日本企業の多くが、アメリカ企業に比べてデータ分析の活用が進んでいないということです。DXと言っても業務効率化が中心で、既存のビジネスモデルそのものをテクノロジーで変革するような取り組みには至っていないケースが多いなと感じていました。
一方で、金融業界全体を見ると、データ量は豊富で、AI技術の導入により大きな変革が起きつつあります。データ分析やAIを活用した意思決定の重要性は年々高まっていて、「このままではまずいな」という危機感を持っていました。
そこで、ビジネス戦略を学びつつ、テクノロジーの深い理解も得たいと思ったのですが、純粋な工学系のプログラムだと理論中心で、ビジネスコンテキストでの応用力が不足しがちな気がしていました。MBAiは、この両方を統合的に学べるプログラムで、金融とテクノロジーの橋渡しをするという自分のキャリアビジョンにぴったりかもと思いました。
どんな人にMBAiが向いている?
1学期を終えて周りのクラスメイトを見ていて、以下のような方にMBAiは特におすすめだと思います:
テクノロジー業界でビジネスリーダーシップを発揮したい方
金融、コンサルティング、製造業などの伝統的産業でAI導入を推進したい方
プロダクトマネジメントやビジネス開発で技術的知識を活かしたい方
AI関連のスタートアップを立ち上げたい方
データドリブンな意思決定を組織に浸透させたいリーダー
特に、理系のバックグラウンドを持ちながらビジネススキルを強化したい方、またはビジネス経験者で技術的理解を深めたい方にとって、理想的なプログラムだと実感しています。
キャンパスライフってどんな感じ?
まだ1学期を終えたばかりですが、日々の生活を振り返ってみると、本当に充実していました。授業では、KelloggでビジネスやファイナンスのMBA科目を受けて、McCormickでPythonを使った機械学習の実装をする、といった形で両分野を行き来します。
授業以外の時間も忙しいです(笑)。Kelloggには豊富なクラブ活動があって、自分はData & Analytics Groupに所属していますが、そこでのネットワーキングイベントを通じて、多様なバックグラウンドを持つ同級生や卒業生とのつながりを築いています。
最後に
AI技術があらゆる業界に浸透していく今、ビジネスとテクノロジーの両方を理解できる人材の価値は、これからますます高まっていくと個人的には考えております。MBAiは、そんな新しい時代のリーダーを育成するための、非常にユニークで実践的な場所です。
実際、MBAiに来る学生は誰もが「AIを活用したビジネスを展開したい」という強い想いを持っています。そういう野心的な仲間たちと切磋琢磨できる環境は、本当に刺激的です。