こんにちは。Class of 2027の黄と申します。今回は、米国での現地就活を検討されている方々のご参考になればと思い、私自身のサマーインターン就活の軌跡を振り返ってみたいと思います。
はじめに:なぜKelloggを選んだのか
MBAに挑戦する動機として、よく①職種・業種の転換、②職位の向上、③勤務地の変更、という3つが挙げられます。一般的に「3つ同時は難しいが、2つまでならなんとかなる」と言われており、私の場合は③の勤務地変更のみが目的でしたから、正直なところ少し甘く見ていました。ところが実際に就活を始めてみると、想像以上に多くの壁に直面することとなり、結果として大きな学びを得る経験となりました。
私はもともと日本で育ち、東京の投資銀行でM&Aアドバイザリーに従事してきました。キャリアを考える中で、「真に海外で通用するバンカーになりたい」「成長著しいテクノロジー分野に近い環境で仕事をしたい」という思いが強まり、米国MBAを検討するようになりました。ファイナンスの基礎知識には自信があったため、それ以外の分野を深く学ぼうと、あえていわゆる”Finance School”ではないKelloggを選択しました。ところが蓋を開けてみると、ファイナンス就活に向けたリソースが非常に充実していたことに、良い意味で驚かされました。
本稿では、①米国就活の全体像、②プロセスで直面したチャレンジ、③Kelloggの就活リソース(主にファイナンス分野)、の3点についてお話しします。
米国就活の全体像:StructuredとUnstructured
米国での就活は、大きくStructuredとUnstructuredの二つに分類されます。
Structuredはコンサルティング、投資銀行、Big Techに代表されるもので、各社が設けた選考プロセスに沿ってサマーインターンが決まり、インターン後にリターンオファーを受ける形式です。一方、Unstructuredはそれ以外の職種(PE/VC、Big Tech以外の事業会社など)で、採用プロセスが標準化されておらず、インターン後に改めて本オファーに向けた就活を行う形式です。
私が経験したStructured就活の特徴として、選考プロセスが秋学期にスタートし、翌冬学期(1月頃)には概ね終結するという点が挙げられます。つまり、MBAへの合格が決まった瞬間から、実質的に就活は始まっていると心得ておく必要があります。
チャレンジ① ネットワーキング
具体的なプロセスに移ると、アジア人学生が最初にぶつかる壁は、やはりネットワーキングではないでしょうか。
私の場合、12月の合格直後にKelloggの教授から「今すぐ卒業生(Alumni)へのアプローチを始めるべきだ。入学前であれば『入学相談』という名目で気軽に連絡でき、相手も快く応じてくれる」とアドバイスをいただきました。しかし「まだ準備が整っていない」という漠然とした不安から先延ばしにしてしまったことは、今振り返ると大きな失敗でした。
入学が近づくにつれてAlumniも採用担当者としての目線を持ち始めるため、アプローチのハードルはどんどん上がっていきます。逆に言えば、早い段階でコネクションを築いておけば、それだけ選考で有利になります。実際に、入学前に100件以上のAlumniとCoffee Chatをこなしたという猛者の留学生もいたほどです(笑)。
合格した当日に、気になる職種・会社のAlumniへリーチアウトする、これが私からの最大のアドバイスです。準備が完璧でなくても構いません。Coffee Chatの練習にもなりますから、とにかく動き出すことが大切です。
チャレンジ② Coffee Chat
就活の最初のステップは、入学前後を問わずCoffee Chatです。「一体何を話せばいいのか?」というのが当初の私の率直な疑問でした。
志望動機、自己紹介、これまでのキャリアのハイライト、逆質問を準備・練習することは当然として、難しいのはいかにして自然な雰囲気の会話を作り上げるかという点でした。
「アメリカ社会はカジュアルでダイレクト」というイメージを持つアジア人は多いと思いますが、私の結論は正反対です。アメリカ社会は日本以上に階層的であり、場の空気を読む力も求められる。育った文化も背景も異なる相手と、最初から自然なラポールを築くのは容易ではありません。だからこそ、入念な事前準備が不可欠です。
具体的には、LinkedInで相手のバックグラウンドをリサーチし、出身大学や居住都市に関連した話題を仕込んでおく。さらに、学校のイベントや課外活動に積極的に参加して自分自身の「話せるネタ」を増やしておく。本題のトーク準備と世間話の準備、その両方に同等の注意を払うことが、Coffee Chatを成功させる鍵だと実感しました。
チャレンジ③ 自己PR
Non-Nativeの学生にとって、これまでのキャリアの実績を英語でアドリブに近い形で話してアピールするのは、一朝一夕にできることではありません。当然ながら事前にコンテンツを用意して臨むことになりますが、スクリプトをそのまま読み上げているような印象を与えてしまうと逆効果です。結局のところ、反復練習に勝る近道はないというのが私の結論です。
もう一つの落とし穴は、「伝えたいことが多すぎて話が渋滞してしまう」という問題です。会話のキャッチボールにおける1ターンの目安はMax 1分半。この制約の中で簡潔かつ説得力のある話し方を身につける必要があります。
私が最も効果的だと感じた練習法は、ChatGPTの音声入力機能を活用する方法です。実際に声に出して話した内容をAIにSTAR形式(Situation – Task – Action – Result)に整理してもらい、洗練されたスクリプトを作成。それを口が慣れるまで繰り返す。かなりの時間投資が必要ですが、だからこそ、早めに取り組み始めることを強くお勧めします。
Kelloggの就活リソース
コンサルティング分野については、Kelloggが「最強クラスのコンサル輩出校の一つ」と広く認知されていますので、ここでは詳述しません。投資銀行就活に絞って申し上げると、Kellogg全体に根付く「上の学年が下の学年の面倒を見る」という文化が非常に機能していると感じました。
特にIBCM(Investment Banking & Capital Markets)クラブについては、2年生が何の報酬も受けていないにもかかわらず、テクニカル知識やMBA就活のマナーに関するトレーニングセッションを毎週開催してくれます。加えて、1年生6〜7名と2年生2名で構成されるInterview Prep Groupが制度として設けられており、「一人で戦い抜く」のではなく「チームで走りきる」という協力文化が見事に体現されていると感じました。
その他にも、2年生によるMock Interview、各社のリクルーティングプロセスに関するインサイダー的なアドバイスなど、プロセスの各所で手厚いサポートがあります。おかげで「今自分が何をすべきか」が常に明確でした。もちろん他校でも類似の仕組みはあるかと思いますが、1年生同士の横の連携も含め、KelloggのCollaborative文化が就活の場で正に生きていることを実感できました。
おわりに
お陰様で、最終的にサンフランシスコの投資銀行でサマーインターンの機会をいただくことができました。振り返ると、その結果を支えてくれたのは、共に走ってきた同期の仲間と、惜しみないサポートを提供してくれた2年生の存在に他ならないとおもいます。
現地就活プロセスはチャレンジングで、相当な時間と労力を要します。しかし、一つだけ確実に言えることとしては、「早く動き出せばなんとかなる」。これが私の最終的なメッセージです。これからKelloggへの入学を検討されている皆さん、あるいは既に合格が決まった皆さんにとって、本稿が少しでもお役に立てれば幸いです。